すい臓
すい臓とは、どのような働きをしている臓器かご存知でしょうか?
臓器の働きは、もちろん人間も猫ちゃんも一緒です!
すい臓は体の奥の方に位置しており、マイナーな臓器だなと思っている方も多いのではないでしょうか?
すい臓の働きは、大きく分けて2つあります。
1つ目は、消化液を分泌する外分泌機能。
2つ目は、ホルモンを分泌する内分泌機能。
どちらもとても大切な働きです!
すい臓が炎症を起こしてしまっている状態を『すい炎』と言います。
すい炎には『急性すい炎』『慢性すい炎』の2種類あり、猫ちゃんに特に多いのは後者です。
今回は、そんなすい炎と猫ちゃんについてお話していきます。
急性すい炎
『急性すい炎』とはその名の通り、すい炎の症状が急激に悪化してしまう恐ろしい状態です。
すい臓の働きを助けてくれている消化酵素は、もともと脂肪や肉を溶かす役目を担っています。
その消化酵素が過剰に働いてしまい、すい臓自体を溶かし、激しい炎症を起こしてしまうのです。
ちなみに、急激に発症してしまうこの病気の原因はハッキリとはわかっていません。
ですが、複数のウイルスに感染してしまった場合や毒物(殺虫剤など)を誤飲してしまった際に、発症する確率が高まると言われています。
また、交通事故や落下事故などの外的ショックによっても発症する可能性もあるそうです。
原因はさまざまですが、突然激しく嘔吐したりお腹を守るようにうずくまったり、何も口にしないような異変があった場合は、『急性すい炎』の恐れがありますのですぐに病院に連れて行ってあげましょう!
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慢性すい炎
特に猫ちゃんに多いと言われているのがこちらの『慢性すい炎』です。
急性と慢性、症状にどのような違いがあるのでしょうか?
慢性すい炎は、『ゆっくり』『静かに』進行します。
炎症を起こすと、すい臓の機能は低下してしまいます。
慢性すい炎も、原因はハッキリと分かっていません。
ですが、こちらも毒性のある物の誤飲やウイルス感染が原因だと考えられています。
急性すい炎とは違いゆっくりと進行するので、飼い主さんも気づきにくいのが特徴です。
・前より吐くようになった
・痩せた気がする
・食欲が落ちた
など、『そうかも?』程度の症状も可能性があるので要注意!
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なりやすい猫
すい炎になるハッキリとした原因は分からないものの、なりやすい傾向はあるようです。
では、どのような猫ちゃんがなりやすいのでしょうか?
それはズバリ!『肥満でシニアの猫』です!
10歳以上の猫ちゃん、特にオスの猫ちゃんの方がなりやすいようです。
肥満は万病の元と言われるように、すい炎に限らずさまざまな病気を引き起こす原因となります。
肥満の猫ちゃんがすい炎になりやすい理由としては、脂肪や肉を溶かす消化酵素の働きが肥満であることと関わりがあるからだと言われています。
また、去勢した後は太りやすいため、オスがなりやすいそうです。
すい炎になりやすい傾向がある猫ちゃんだということが分かれば、少しでも異変があった場合にすぐに対処できますね!
いつもと何か違うと思ったら、迷わず医療機関を受診してください!
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なぜ増加している?
なぜすい炎の猫ちゃんが近年増加しているのか・・・不思議ですよね?
実際は、”増加している”とは少し違います。
先程少しお話しましたが、特に慢性すい炎は「あれ?いつもと少し違うかも?」というくらいの症状で診断も難しく、かつてはすい炎だと気づかれないまま亡くなってしまっていた猫ちゃんが多くいたそうです。
検査技術が進化したことによりすい炎という病気が見つかりやすくなり、治療も可能になりました。
そのため、一見すい炎が”増加している”ように思えるのです。
早期発見が治療のカギになるのですが・・・残念ながら、すい炎に特効薬はありません。
症状を緩和させる投薬治療がメインになり、その他脱水症状や栄養不足にならないように対策をとることになります。
また、胆管炎や腸炎を併発しやすいため、そうならないように注意すること。
すでになってしまっている場合は、そちらの治療も並行して行います。
愛猫の健康を守るため、肥満にさせない!まずこれを徹底してください!
飼い主として、愛猫を苦しませず幸せにしてあげてくださいね。
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